紙切りの可能性への”挑戦”(1)

先週の土曜日、立川談春さんと柳家花緑さんお目当てで駆け付けた「花形演芸会」で初めて拝見した、林家二楽さんの独演会「二楽劇場」に。何気なく「東京かわら版」のスケジュール表を眺めていて、今日がその二楽さんの会であったことに気付き、思い立って出かけてみた。

紙切りというと、正楽さんしか拝見したことがなかったので、二楽さんの高座の前半は、楽しく拝見したものの、それほど印象的ではなかった。ところが、後半にオルゴールを使って”ふるさと”という、ご自分で選んだお題で紙を切り、そこからOHPを使って、あらかじめ切ってあった作品を曲に合わせて次々に見せて行く、というスタイルが面白かった。

会場は、池袋演芸場。池袋はご縁がなくて、半年前に江戸川乱歩の展覧会を見に来て以来だし、池袋演芸場は、この会が初めて。「花形演芸会」で、昔のこの寄席での前座時代のエピソードを花緑さんがマクラでふっていらして、小さい所だとはわかっていたが、こんなに可愛らしいとは、びっくりだ。
新宿末広亭も、中に入ってびっくりしたけれど、それとはまた違う驚き。談春さんの独演会が行われている、築地のブディストホールも結構小さいと思っていたが、それ以上だ。そして、夏休みのせいか客席には、小学校低学年とか、もっと小さいと思われる子供も何人かいたのにも、ちょっと驚いた。

二楽さんは、今回が初めての独演会だそうで「どうしてもやりたい」と言って、口上スタイルの幕開け。そのまま挨拶となり「今日は、とにかく”挑戦”がテーマ」と決意表明。
口開けは、自分で選んだ俳句に因んで切って行くが、俳句自体にあまり訴求力がないのか、出来上った作品からすぐにお題となった俳句が浮かんで来ないお客が多い。
続いて、お馴染みの客席からのリクエストで切るスタイルになるが、ここでも「季語でリクエストしてください」。色紙を使ったりして、変化をつけていた。

続いては「思い出」と題して、自分の思いでを切った作品をスケッチブックに貼付けて、めくりながらそれぞれの思い出を語って行く。ここから、ゲストの三増紋之助さんが加わる。
紋之助さんは、ちょっと笑福亭笑瓶さんに似ているな、と再認識。お二人が出会ったきっかけ、共通の思い出なども交えて、漫談風に進んで行く