末広亭が改修工事?!(1)

新宿末広亭が、9月の上席を休んで、改修工事を行うというのを、「東京かわら版」で読んで、ちょっと焦った。
たしかに、老朽化が進んでいて、いろいろと不便な点はお客にとっても、出演者にとっても少なくないのだが、あの昔の寄席の匂いが色濃く残る場所が、ピカピカになってしまうのか?
そんな恐れを抱いて、8月31日の余一会へと出かけた。

8月は、ここ数年恒例となっているという「つ花連」の皆さんによる昼夜興行。
つ花連とは、寄席用語?でお客が10人以上入っていることを示す符牒「つばなれる」からとった名前だそうだ。
数を数えるときに、1から9までは「ひとつ、ふたつ・・・ここのつ」と”つ”をつけるけれど、10になると「とお」と数えるので「つばなれ」とは、さすが、言葉の遊びがお上手。
「つ花連」は”雑俳”をやろうという、噺家さんを中心に有志で始めた会で、13人の同人がいるので、この名前をつけたとは、夜の部の“雑俳大喜利”での説明を聞いてわかったこと。
“雑俳”と“川柳”のどこが違うのか?というのは、よくわからないけれど、これは追々調べてみよう。

末広亭の改修工事は、客席の椅子を新しいものに取り替えて(座席数は減るらしい)、トイレを綺麗にするという内容だそうだ。確かに、末広亭の椅子は今時の体の大きな男の子じゃなくても、ちょっと窮屈かな?という小さなものだったので、あえて席数を減らしても、少しでも楽にという、小屋の方の配慮は、うれしい。
そしてトイレも現在のだと、さすがにお掃除は行き届いているものの、女性はちょっと入りにくいし(入り口が男性用と一緒)、手を洗う洗面台のところも男性と共用なので、お化粧直しとかはし難い感じなのだ。これまた、客にとっては嬉しい改修だ。
あの内部の雰囲気を残しつつ、便利になるのは嬉しい限り。

末広亭は、場内の案内係りの若いお嬢さんが、みんな器量良しで気持ちがいいのも、好きなところ。お揃いの、昔の事務員さんみたいな上っぱりをきているのだけれど、あの空間の雰囲気によく合っていて、なまじ、法被なんかを着るよりもずーっといいと、わたしは思う。改修したからって、あの制服は変えないでもらいたいな。