くるりへ

先週は、実家から末広亭に直行してしまったので、きものも着られず、くるりにも寄れなかった。今日は、先日くるりで買った久留米絣を着たので、金子さんに見てもらいに、くるりへ。
すんごーっく混んでいて、一瞬ひるんだが、棚が充実しているみたいなので、思い切って飛び込む。入ってすぐの棚に、白地に紫の濃淡で大きめの青海波模様が全体に染められたきものがパっとわたしを呼んでいた。タグをチェックすると「しみあり」表示。そのため、生地自体はかなりいいものなのに、お値段はとても可愛い。襟あたりにドーンとしみがあるのかな?と思ったけれど、見当たらず。そこで、金子さんにご相談。「あ、このあいだの向こうの棚にあった絣ですよね」と開口一番。さすが。もっていたきものを見せて「この”しみあり”ってどこにあるんですか?」とお尋ねする。結局、上前のおくみのところに、うっすら茶色の小さな点のしみがいくつか見つかるも、総柄なのと、しみ自体が薄いので、あまり目立たない。「これ、手描きなんですよ」という金子さんの一言に、めずらしく柔らか物にもかかわらず、柄が”青海波”であることとあいまって、物欲が刺激される。羽織ってみると、ちょっと身幅が足りないかも?という感じだが「今、お太鼓結びですよね? だったら、大丈夫だと思いますよ」と金子さん。
帯は、先日くるりで一目惚れして買った「緑の有職文様の袋帯は合うかしら?」と伺うと「あー、あれなら合いますよ」とのこと。あとは「黒の帯もかっこいいですよ」と、棚から黒地に濃いピンク色の刺繍で丸にお花模様の帯を出していただいて、置いてみると、これがもう、ぴったり。帯揚げに江戸紫とか芥子色を持って来るとばっちり決まる。
そして、わたしが青海波のきものを持っていったときに、金子さんが畳んでいらっしゃったきものも、とても気になったので、見せていただく。濃紺の市松模様で、大島とのこと。これまた羽織らせていただくと、サイズもこちらは不安なし。しかも羽織っていたら「あら、こちらが羽織っていらっしゃるの、いいわね。大島よ」などと、他のお客さまに言われてしまって、しみもなく、状態もいいのですっかり買う気満々に。
「あー、また黒っぽいのになっちゃった」といいつつ、先日ながもち屋で買った帯にも合うということに気付く。
以上、3点ご購入。「その大島、ぜひ、お召しになったら見せてくださいね」との金子さんのお言葉に「早く袷の時期にならないですかねー」と心は早くも秋に飛んでしまった。
とはいえ、単衣はまだブルー地の輪っか柄銘仙も、ベージュの青海波模様も、実家から発掘した濃い緑地に植物模様のも、1回も着ていないのだった。
今月はあと、歌舞伎座2回と落語2回くらいはきものを着るチャンスがあるので、お天気がいいことを祈ろう。