小沢昭一さんを真ん中に思うあれこれ(2)

そういえば、わたしが初めて読んだ句集というのが、江國滋さんの闘病句集『癌め』(角川文庫)だったが、江國さんとは「東京やなぎ句会」のお仲間で、江國さんが担当されていた新聞の俳句コーナーを小沢さんが託されたということを、江國さんの闘病日記『おい癌め酌み交わそうぜ秋の酒』(新潮文庫)で読んだのだったと、思い出した。

また、先日やっと入手した「BOOKISH」で、正岡容のことが出てきたのだけれど、小沢さんが正岡の家に通って、大衆芸能のことなどをいろいろと聞いていた大学生グループの一人で、その頃やはり正岡の家に通っていたのが、若き日の桂米朝さんで、後に東京やなぎ句会のメンバー同士なのだということも、この本を読みながらつながってきた。

なんだか、いろいろなものが小沢さんの『話にさく花』に一度集まってきて、またそれぞれが別の方向へと散って行く面白さを感じた。