『だめだこりゃ』

だめだこりゃ
いかりや長介さんが亡くなって、新潮文庫版が一時的に書店店頭から消えていた『だめだこりゃ』*1を先日見かけたので、買ってあった。で、外出のお供に持ち歩いているのだが、どうも最近、乗り物の中での読書がはかどらないので、まだやっと1/4くらい読めたかな?という感じ。
いきなり、荒井注さんが亡くなった時の思い出から入るこの自伝、弔辞のくだりで言葉にうまくできない感じが湧いてくる。
演芸や映画が大好きで、芸人を見る目に絶対的な自信を持っていたという、いかりやさんの父上は、典型的な“東京っ子”といえるだろう。そんな父上は、決して芸人との境界線を踏み越えることなく、素人であることの誇りを失くさなかった人だという。芸事が好きだから、いかりやさんがバンドマンになりたいと言ったとき、賛成してくれるかと思ったら、反対されたという。いかりやさんはそういう目の肥えた父上を笑わせることを目標にしたのだという。
この父にして、この息子アリなんだろうなぁ、と思わされるいかりやさんの芸人人生のスタートのエピソードだ。

*1:『だめだこりゃ』ISBN:4101092214