新潮文庫3月の新刊

新潮文庫のメルマガより。

◆あたく史外伝
小沢昭一
あたくしは、いかにして小沢昭一的になったのでありましょうか? 子供の時分、
プロペラ機が撒く宣伝ビラを集めた思い出。サンショウウオを捕えた話。木の上
から見たサーカスの火事。東京中に書いた落書き……腕白小僧の珍体験から、新
米俳優時代のイタズラ、そして山口瞳美空ひばりとの交友談まで。懐かしき
「昭和のこころ」が名調子であざやかに蘇る、読んでしみじみの軽妙エッセイ集。
■4-10-131316-4 460円

◆笑伝
林家三平
神津友好
「どうも、すィませ〜ん」でおなじみ、昭和の爆笑王・林家三平の生涯を描いた
伝記。復員後、林家甘蔵の名で前座見習開始。テレビの普及とともに時代の寵児
となっていく姿には、時間とネタ作りに追われる異才の悲哀が滲む。客を笑わせ
ることに徹した不世出のエンタテイナー。その人生をたどる本書は、戦後落語史
としても読める。没後25年、長男こぶ平の九代目林家正蔵襲名を機に文庫化!
■4-10-117231-5 500円

海辺のカフカ〔上〕
村上春樹
「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる」??15歳の誕生日がや
ってきたとき、僕は家を出て遠くの知らない街に行き、小さな図書館の片隅で暮
らすようになった。家を出るときに父の書斎から持ちだしたのは、現金だけじゃ
ない。古い小さな金のライター、折り畳み式のナイフ、強力なポケット・ライト、
濃いスカイブルーのレヴォのサングラス。ほかには小さいころの姉と僕が二人並
んでうつった写真……。
■4-10-100154-5 740円

海辺のカフカ〔下〕
村上春樹
四国の図書館に着いたカフカ少年が出会ったのは、30年前のヒットソング、夏の
海辺の少年の絵、15歳の美しい少女??。一方、猫と交流ができる老人ナカタさ
んも、ホシノ青年に助けられながら旅を続ける。〈入り口の石〉を見つけだし、
世界と世界が結びあわされるはずの場所を探すために。謎のキーワードが二人を
導く闇の世界に出口はあるのか? 海外でも高い評価を受ける傑作長篇小説。
■4-10-100155-3 780円

小沢昭一さんの『あたく史外伝』と、三平師匠の『笑伝』は特にうれしい。
他に、伊丹十三さんのエッセイも、文春文庫からの移籍で、3冊まとめて出る。これは「考える人」の関連かなぁ?

発売は3月2日(水)予定です。