『物情騒然。』

小林信彦さんが「週刊文春」に連載しているコラムの2001年分をまとめたものの、文庫化。今月の新刊で、平積みになっていて、つい購入してそのまま読み始めた。小林さんが、三味線の音に惹かれるっていうのは、ある意味当然なんだけど、なんだかやっぱり意外だ。
目次を見ると、この年は志ん朝師匠が亡くなった年だったことを思い出す。当時、落語に興味はあったけれど、寄席や落語会に足を運ぶきっかけが作れず、志ん朝師匠の訃報に接して「ああ、間に合わなかった」と思ったことを思い出す。その後、小林さんの『名人 志ん生、そして志ん朝』や、中野翠さんのコラムなどを読んで、間に合わなかったことをとても悔しく思ったのだった。その反動というわけでもないのだけれど、談志師匠の高座は、結構、がんばって追っかけている。それも、やはり立川談春という噺家さんの存在を知ったことが大きいなぁ。なんて、ちょっと、我が身の変化を振り返ってみたりして。

まんざら

まんざら