こんなところで崔承喜の名前に

『重箱の隅』を持ち歩き本として読んでいるのだけれど、今日は、こんなところでこの名前を見かける事になろうとは!という名前を発見。ひとりで興奮している。その人の名前は崔承喜(チェ・スンヒ)。大正から戦前にかけて、日本を中心に、ヨーロッパや南米、北米を股にかけて活躍した、朝鮮半島出身の舞踊家だ。石井獏の弟子で”半島の舞姫”と呼ばれ、彼女のステージは常に満員札止めになるほどの、人気があった人だという。ちょっといろいろな行きがかりで、彼女について調べていたことがあって、その当時、東郷青児梅原龍三郎など著名な画家が彼女をモデルに絵を描いたり、いろんな作家が彼女の舞台について書いたことなどはわかったのだが、朝鮮半島に戻った彼女は、北側に残ったため、その後の消息がはっきりしないままとなってしまったのだった。いろいろと、彼女の足跡を追ってみると、謎の部分もあったりして、なかなかわからないだけに、面白くもあったのだった。
で、『重箱の隅』で、五木寛之さんが、石井獏と崔承喜の舞台を見た事がある、と書いていらっしゃるのを発見。五木さんが見た事があるというのは、まったくわたしの調べの中では出て来ていなかったので、今頃になって、こんなところで!と驚いた、という訳。何がどこでどう繋がるかわからない、不思議なものだ。

炎は闇の彼方に―伝説の舞姫・崔承喜

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