神保町散歩

ただいま、職場にて仕事中。結局、午後の仕事の前に、チラっと神保町に行く。古本まつりは今日までということで、かなりの人出でにぎわっていた。わたしなんぞは、かえって“人あたり”してしまった感じだ。あまり時間がなかったので、まずは信山社で『新編 近代美人伝〈上〉 (岩波文庫)』を探すが、棚にも平台にも姿は無し。
しょうがないなぁと、東京堂ふくろう書店に行って、坪内棚をチェック。しかし、ただいま古本は展示のみで販売はしていないという張り紙(ただし、どこまでがその対象なのかがイマイチわかりにくい)があり、何点か気になる本があるも、見送り。月の輪さんの目録「月の輪書林古書目録十三 特集『李奉昌不敬事件』予審尋問調書」を入手。表紙は、林哲夫さんの絵だ。もう十四が出ているのかと思ったのだけれど、十二と十三しかなかった。1年以上前に出た目録なので、きっと欲しい本はもはやどなたかの手に渡ったあとなのだろうが、とりあえず読ませていただくことに(月の輪さんの目録は、まさに“読む”がふさわしい)。
それから東京堂へ行って、『近代美人伝(上)』を探すも、発見できず。おなじみの“軍艦”をチェックすると、気になる本がいろいろあれど、グっとこらえる(笑)。その隣の平台?に岩波文庫の復刊がかためておいてあって、その中になんと、『旧聞日本橋 (岩波文庫)』が! これは、本の神様のお導きにちがいないと、喜び勇んでお買い上げ。あと、坪内さんが小林信彦さんの新刊『東京少年』について寄稿されていると、どちらかのBlogで読んだのを思い出して*1「波」も一緒に。お会計をすませて、レジの前をふとみると、岩波の「図書」と未来社の「未来」があったので、ありあがたく頂戴する。念のため、と思って、三省堂に行ってみたが、やはり『近代美人伝(上)』はなくて、がっかり。
靖国通り神保町駅の方に戻ろうと思うも、一応、三茶書房さんの表の均一ワゴンの岩波文庫をチェック、その後も岩波文庫が入った均一台が表に出ていると、一応チェックしてみたものの、時雨さんの影も形もなし。交差点を超えて、専修大学の下まで歩きながら、コミガレ、豊田書房、日本特価書籍などを流してみたけれど、時間があまりないのと人出の多さで、結局何も買えず。
仕事に行く前に、なにか食べておこうと思い、タリーズでサンドイッチとアイスラテを食べながら、「図書」の目次を眺めるていると、小沢昭一さんのお名前が! これまた本の神様のお引き合わせだとうれしくなって、「落語」と題された小沢さんの聞き書きを読む(「遊びつづけて七十年」という連載の7回目だと、本文に当たってみて判明)。小沢さんの落語歴について、思い出が語られるのだけれど、紙数の関係か、かなりはしょっているのが、もったいない。きっと本にまとまるのだろうから、そのときは増補していただきたいものだ。
探しに出た『近代美人伝(上)』とはめぐり合えなかったけれど、もう1冊の探求書であった『旧聞日本橋』、そして小沢昭一さんの聞き書きが載っている「図書」にめぐり合えたので、なかなかな神保町散歩であった(ということにしておく)。

*1:東川端参丁目の備忘録さん id:thigasikawabata でした