『旧聞日本橋』

高田馬場からの帰りの地下鉄の中で読了。時雨さんならではの、眼のつけどころと、その文体によって、周囲の面白い人たちが、活き活きと描かれていて、面白かった。落語の登場人物は、江戸末期から戦前にかけては、結構、身近なところに居た、リアルな人々を描写しているのかも、とちょっと納得。
解説で、前田愛さんも書いていらっしゃったけれど、下町の様々な人の様々な暮らしぶりが伺われる、こういう文章を時雨さんが残しておいてくれたことに、感謝。時雨さんのお父さんの絵が、文字で読んだだけではわかりにくい、庶民の暮らしを、具体的に描いており、今まで落語や明治を舞台にした文学でしか知らなかったことを、視覚的に知ることができた。。
初版と、戦後に出た青蛙房の『旧聞日本橋』をいつか手に入れたいものだ。
さて、次はお待ちかねの『新編 近代美人伝〈上〉 (岩波文庫)』だな。

旧聞日本橋 (岩波文庫)

旧聞日本橋 (岩波文庫)