立川談春独演会@シアターアプル

いやはや、シアターアプルとはねぇ・・・。その昔、ワハハ本舗の芝居を見に来て、なんと大きな会場だ!と思ったのだけれど、談春師曰く「こっちから見ると、意外にコンパクトにまとまった空間です」とのこと。ただし、小屋の内部が全体的に黒を基調にしているので、客席が暗い。「今日は、誰がどんな顔をしているのか、わかりませんから、立っている人は、どんどん座って下さい」とのこと。そう言われても、ねぇ・・・。

仲入り

いやはや、とにかく「居残り」がすごかった・・・。前にも一度、独演会で聞いているのだけれど、その時以上に、スゴかった。佐平次という男の了見、啖呵の良さ、愛嬌のあるところ、要領のいいところ・・・。なんだか、芝居を見ているように、目の前に品川の妓楼の座敷や蒲団部屋で、活き活きと動き回る佐平次が浮かんで来る。
佐平次っていう男は、やってることをよくよく考えてみるとイヤな奴のはずなのに、なんか憎めない、ニコって笑われると「いいよいいよ」って言ってしまいそうな、そんな奴なんだなぁと、改めて思った。
談志師匠の「居残り」を生で聞いたことがないのだけれど、談志師匠が好きで大切にしているネタだから、やらない方がいいのかな?と思ったりもしたと、終わってからおっしゃっていたけれど、談志師匠が好きなネタだからこそ、やってください! 今日の高座は多分収録していたと思われ、せっかくなので、次回のCDにはぜひ、入れてください!!
崇徳院」は、若旦那と熊さんのやり取りのちぐはぐさ加減、最後に頭と熊さんが襟首つかんだ取っ組み合いになるところは、おかしかった。熊さんが走り廻るところが、意外にアッサリしていたなぁ・・・。
今日は、諸般の事情により、ギリギリに客席に着いたので、CDは終演後に購入。CDの隣で、談春師が20年目の収穫祭のパンフにサインしていらしたので、つい、今日の記念に?またパンフを買ってしまった・・・。「宛名、なんて書くの?」と聞かれて「えーと」とか言って、お弟子さんにお代を渡したりしていたら「おまさ様」と書かれてましたよ・・・(笑)。
そうそう、最近、マクラでお母さんの話がよく出るような気がします。前は、自分のプライベートなことって、しゃべらなかったように思うのですが。なんか、「この母にしてこの子あり」って感じで、勝手に妄想が膨らみます(笑)。透析中のアクシデントのこと、今だからあんな風に語れるんだろうけれど、なんか自分が案外すんなり覚悟を決められたこと(わたしの場合、かなり状況違うし、母じゃなくて父だった)を思い出してしまった・・・。
ひとつだけ、希望を申しますと、出囃子はやっぱり、普通のほうがいいなぁ・・・。談春師の落語と、ノリが違うのですよ、どうしても・・・。

立川談春/来年3月15日

立川談春/来年3月15日