『深淵のガランス』

花師で絵画修復師が遭遇した、不思議な修復依頼とそこから始まる一連の事件。ここ10年ぐらいだろうか、修復師という仕事が日本で知られるようになってきたのは。藤田宜永さんが、たしか修復師を主人公にした小説を書いたなぁ(読んでないけど)と思って調べたら、『壁画修復師』という、フレスコ画の修復をする人が主人公の作品であった。そういえば、知人のご主人が、イタリアに修復の勉強に行っていたっけ・・・。あれからどうしたかなぁ? あと、漫画で「ゼロ」っていうのが面白いと、コメントで教えていただいて、何冊か読んだなぁ。
北森さんは、冬狐堂シリーズでも、贋作については扱っていて、その調べの過程で生まれたのが、『深淵のガランス』なのかもしれない。コレクターとその周囲に渦巻く、嫉妬や羨望、欲望・・・面白いけれど、怖い世界だ。

深淵のガランス

深淵のガランス

壁画修復師 (新潮文庫)

壁画修復師 (新潮文庫)