『女形の運命』

最初の歌舞伎論みたいな部分を読んでいた時は、ウーン、読み通せるかな?とちょっと不安になったのだけれど、六代目歌右衛門論に入ると、なるほど、そういう見方ができるのか・・・という刺激的な指摘に満ちている。この後、渡辺保さんは『歌右衛門伝説』『歌右衛門 名残の花』という2作を書いて、歌右衛門三部作としているという。晩年に近い数年の舞台しかしらない、歌舞伎ファンにとって、歌右衛門以前と歌右衛門の時代を知ることは、歌舞伎の見方を知ることでもあるなぁと思う。

女形の運命 (岩波現代文庫)

女形の運命 (岩波現代文庫)

歌右衛門伝説

歌右衛門伝説

歌右衛門 名残りの花

歌右衛門 名残りの花