納涼歌舞伎第三部@歌舞伎座

第三部は「八犬伝」の通し。三津五郎さま目当てで行ったわけだけれど、やっぱりイイですなぁ・・・三津五郎さま。ただ、全体になーんとなく盛り上がらないような・・・。犬山道節は、もうちょっと押し出しの強い役者さんの方がいいのかも。
贅沢を言わせていただければ、三津五郎さまの犬塚信乃で、芳流閣の立ち回りも見てみたい! あと、信二郎さんがよかったなぁ。亀ちゃんは、あの台本だとそうそう遊べないんだろうけど、わりと大人しくて、残念。序幕なんか、半端な感じで、どうせならもっと弾けてほしかった(笑)。
福助さん、演舞場の「道成寺」よりは・・・ではあったものの、女装をした男っていう役の設定にこだわりすぎでは? あの衣裳で、あの裾捌きはコメディならいざしらず。この方、なんか妙に笑いの方にベクトルが向かっているような気がするのだけれど。意識的なのか無意識なのか?
孝太郎さんと染五郎さん、本当ならドンピシャの役どころのはずなのに、やけにあっさりしていて、つまらないなぁ・・・。他がわりと時代がかってたり、武張っていたりする芝居なので、せめてあの若い二人の色模様ぐらいは、もうちょっとしっとり見せて欲しかった。
芳流閣の立ち回りも、もっとエンターテイメントにして欲しいような。足許がよくないのはわかるのだけれど、やっぱりあそこは、派手にケレン味たっぷりで行って欲しかった。
まぁ、長い物語を3時間ほどに凝縮せざるをえないので、仕方ないのだけれど、もうちょっと世界が広がっていると、もっと楽しいんだけれどなぁ・・・。国立の通しを見ていたことを、筋書きの上演記録をチェックして思い出した。あの時は、時間がもう少したっぷりあったので、世話場あり、時代っぽいところあり、恋あり、敵討ちありって感じで、歌舞伎の楽しさ満載だったような気が・・・。
開演前に、2階のロビーで渡辺保さんをお見かけした。あんまりお変わりになっていらっしゃらないなぁ・・・。