初芝居@国立劇場大劇場

通し狂言「梅新春五十三駅」を。久しぶりの国立での歌舞伎観劇。昔にくらべて、客席の寒々しい感じが薄れてきたような気が・・・。
やはり、歳月を経て、人の息遣いが小屋を成長?させたということかな?

芝居は、初演当時流行ったという「五十三駅モノ」。宝物を探して、東海道を京から江戸まで下る途中途中で、いろんな出来事が起きるというのが大まかな粗筋。菊五郎劇団がユニットで出演だけあって、遊び心も満載の、お正月らしいにぎやかな芝居になっていて、復活モノとしては、かなり成功の部類に入るのでは? ただし、国立で通しで再演というのじゃないと、みどりでは厳しいとは思いますが・・・。
大詰めがもう少し華やかな舞台装置で終わって欲しかったなぁ・・・。最後はアイディアが息切れしちゃったのかしら?という印象。主だった役者さんは、二役三役と奮闘され、それがいい意味で活気につながっていたのではないかな。

三津五郎様は、大姫を守って旅をする侍と宿場のお寺のお坊さんの2役。お坊さんの愛嬌があって、目端が利いて、色気があって、というのが、ぴったり。勘三郎さんと並んで、こういう役を今やって上手いのは、三津五郎様ですね。
びっくりしたのが、梅枝くんの(多分)吹き替えの立ち回り。体操選手も真っ青!という鮮やかな身のこなし。まだまだ、菊五郎劇団には、こういう立ち回りをきっちりできる役者さんがいるんだ!というのは、心強い限り。
時蔵さん、綺麗! 菊五郎さん、さすが兼ねる役者! 亀ちゃんは、役柄がいつもにくらべると、しどころが少なくて、もったいなかったかも・・・。

菊之助くんの権八は、そりゃー綺麗で、上品で、よかった。立ち役だと、お父さんにやっぱり似てるな〜というのに、気づいた。女形だとお母さんに似てるんだけどな。普通の「ご存知鈴が森」を菊之助くんの権八で見てみたい!