『中村雅楽探偵全集2 グリーン車の子供』2007_031

刊行開始までは、非常に紆余曲折のあった、「中村雅楽探偵全集」も、スタートしたら2ヶ月に1冊のペースを保って、順調に刊行されています。よかった〜。
1巻はかなり、勢いがついて一気読みでしたが、2巻は途中でなが〜い休憩が・・・。
収録作品は、どれも面白いのですが、はやり推理作協の短編賞を受賞した「グリーン車の子供」が、戸板先生らしくて、好きかも。ただし、この作品には、推理小説としては、瑕があるそうで、受賞決定後、ごくわずかですが、書き直しがされ、しかし、そうしたことでかえってまた、矛盾が生じ、ということがあったそうです。その辺のいきさつについては、解説で触れられていました。
しかし、初めて読んだときも、今回も、あまり疑問には思わなかったのは、わたしがミステリ読みとしては、甘いからでしょうかねぇ・・・。

他に、印象に残っているのは「美少年の死」。能の子方の死にまつわるお話です。切ないですねぇ、これは。
他にも、ちょっと切なくなるような作品がありますが、いずれも戸板先生の暖かいお人柄で、救われている気がします。