「歌舞音曲」シリーズ「歌」〜心響き合うとき〜Vol.11@紀尾井ホール

亀井広忠プロデュースによる、能楽のコンサート? ほぼ三十代・四十代でそろえた(例外は大倉源次郎先生と助川治さん)、囃子方シテ方が、舞囃子などでその腕を競い合うって感じですかね。
最初に素囃子「道成寺組曲」。ちょっと残響が長いかなぁ???と感じましたが、聞いているうちに、だんだん馴れてきて、あまり違和感は感じなくなりました。源次郎先生の乱拍子の緊迫感は、うわさ通りでした。お能だったら、もっとすごかったりして・・・。
続いて、舞囃子「融」酌之舞、舞囃子「安宅」延年之舞。「安宅」は、個人的好みでいうと、「能楽現在形」で拝見した宝生流の方の方がよかったかなぁ・・・。もっとも、あちらは能楽堂、こちらはコンサートホールという、ハコの条件の違いもあるので、一概には言えませんが。
休憩をはさんで、一調「勧進帳」。山崎正道さんは、六郎先生のお能で、地謡とかは伺ったことがあるのですが、ステキなお謡でした。こちらが「勧進帳」の詞章をある程度知っている、というのも、大きな要素かもしれませんが・・・。山崎さんのお能も拝見してみたいです。
続いて居囃子「松風」。囃子をメインにする番組だと、どうしても囃子が目立つ部分になり、そうすると当然、シテも動きがあって、となるようで、静かな曲を挟もうという広忠さんの狙いでしょうね。
最後に舞囃子「邯鄲」盤渉。シテを舞われた味方玄さんは、たぶん初めて拝見したのですが、優美な中に凛としたものがあって、本日の舞の中では、一番好きでした(お謡は、山崎さんかな)。ハコビがとても綺麗で、あーーこんな風に舞えたら素敵だなぁ・・・などと夢の又夢のことを考えつつ拝見しておりました(笑)。
広忠さんは、6月に24もお舞台があるそうで・・・。そのせいで、追加公演が本公演より前になっちゃったようです。しかも、本日は、全曲打たれた上に、MCも3回。いったいどんな体をしていらっしゃるのでしょうか???
源次郎先生が鼓を打っていらっしゃる間は、だいたいその手に目が釘付けになっていました。まず、手がデカイ!(笑) そのデカイ右手の、なが〜い指が自由自在に動いてる! 左手の調べの握ったり緩めたりの加減をする、その動き! まぁ、マジックを見ているようです。参考にさせていただくなど、とてもムリ! ただただ見つめるだけでございます・・・。