『十一代目團十郎と六代目歌右衛門』

今だから、そして著者が(広い意味の)幕内の人ではないからこそ書けた1冊だろう。これまで、断片的には聞いたことのある話、読んだことのある話もあったが、それをつなげると、今まで疑問に感じていたことのいくつかの答えがそこに提示されていた。
あとがきを読んだら、『歌右衛門伝説』を読んだことがこの本を執筆するきっかけだったとのこと。なるほど! 
もっと暴露本的要素を持った内容かと思っていたが、そういうことはなく、今までそういう見方はしたことなかったなぁ〜という近代から現代への歌舞伎の歴史をそこに見ることができた。
歌舞伎好きの方には、面白く読めるのではないかと。