『悪への招待状』

三人吉三」をベースに、幕末の江戸の人々のくらしや娯楽、考え方などを紐解くのに、ちょっと凝った趣向が用意されていたのに、最初はびっくり。でも、小説家である著者の想像力とか物語構成の巧みさで、この芝居を見た事がない人でも、きっと楽しく読めるのではないかと思った。
11月の演舞場で「三人吉三」の通しがかかったので、その前に読めばよかった!とも思ったのだけれど、見終えてから読んだ事で、「三人吉三」を見ながら見落としていたことを再確認できたので、このタイミングで読んだのも、かえってよかったのかもしれないと。
八百善で当時の料理を再現してもらったり(白魚のめざしもあったよ、しかも!)、保さんが校正をチェックしていたり、と、かなり凝って作られた本だと言うのは、そのわかりやすい説明からも伝わってきた。こういう本が、実はいろんな作品を題材に作られると、歌舞伎を見始めの人も、お芝居を楽しく見る道しるべになるんじゃないかなぁ?

ということで、小林さんのほかの歌舞伎関連の本も読んでみたくなった。
カブキの日 (新潮文庫)

カブキの日 (新潮文庫)

歌舞伎通

歌舞伎通

新釈四谷怪談  (集英社新書)

新釈四谷怪談 (集英社新書)

この辺も、歌舞伎と関係あるのかしら?
宇田川心中 (中公文庫)

宇田川心中 (中公文庫)

麻布怪談

麻布怪談