『暁英』

北森鴻さんの絶筆となった作品だそうだ。北森さんらしく、いろんなうんちくが詰まっていて、それがまた謎解きのカギになってきて、やっと着地するところが見えてきたかな?というところで、終わってしまったのが、本当に残念だ。
タイトルになっている暁英とは、明治のお雇い外国人として有名な、ジョサイア・コンドルの別名。なんとあの河鍋暁斎に弟子入りしていたのだそうで、それだけでも十分びっくり。そして、鹿鳴館の設計者も設計図も不詳のまま今日に至っているというのも、はっきりとは知らなかった。で、鹿鳴館ということは、当然伊藤博文やら大山巌やらも絡んできて、文明開化の東亰の様子もうかがうことができて、いろんな面で興味深い作品。
北森さん、最後はどういう風にまとめるつもりだろう???
本当に、惜しい人を亡くしたと思う。

合掌。

暁英 贋説・鹿鳴館

暁英 贋説・鹿鳴館