働く貴方に贈る@国立能楽堂

去年から(だったと思うけど、違うかも)始まった、国立能楽堂夏の企画公演の中に、19時開演のまぁ、国立劇場でいうところの「社会人のための鑑賞教室」的な催しがある。最初に林望さんと茂木健一郎さんのトークがあって、お能一番というもの。
歌舞伎や文楽の「見方」みたいなものではなくて、人気のあるお二人の名前があれば、という狙いなのかな? たぶん、茂木さんの気配りなんだと思うけど、去年も今年も、林さんが執筆中の源氏物語の本を持って出てくるのは…。その日の演目が、源氏にまつわる曲だったらわかるんだけど。

謹訳 源氏物語 一

謹訳 源氏物語 一

今年は関根祥六さんの「隅田川」。お笛が仙幸先生、大鼓が忠雄先生という豪華な布陣だ。そういえば、仙幸先生のお笛、久しぶりに伺った気がする(って、わたしがこのところ、あまりお能を見ていないのだが)。憂いがあってステキだった。
ステキだったといえば、シテの装束が裾の方しか見えなかったのだけれど、これがまぁ、色といい柄といい、ステキなものだった。
舞い終えて、幕に戻るときに、橋懸に入ってすぐのところで、シテが立ち止まったまま動かなくなってしまったので、ご高齢なだけにちょっと心配に。その後、ゆっくりとしたハコビで進まれたので、幕に入りきるところまで、つい見てしまった。
終演は21時半近く(予定通り)。ウーム、あのトーク、もうちょっと短くして、終演時間がもう少し早くなるようにした方がいいんじゃないかな? 遠方に帰る人にはちょっと辛い終演時間だと思うな。