haiku

小澤實氏の「万太郎の一句」

庭木刈つてみゆる東京タワーの灯 『春燈抄』所収

小沢實氏の「万太郎の一句」

人に示す 秋晴や人がいゝとは馬鹿のこと 『春燈抄』所収 人が悪いバカは、どうすりゃいいのか・・・。

小沢實氏の「万太郎の一句」

冷かにふせし茶碗や膳の上 『俳諧雑誌』所収

小沢實氏の「万太郎の一句」

にくきは人の口なりかし あきかぜのとかくの音を立てにけり 『冬三日月』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

某家にて女児出生 あきくさのゆめうつくしく生ひたてと 『冬三日月』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

柳戸はる子、幹部に昇進す 草の花ひたすら咲いてみせにけり 『ゆきがけは』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

古奈三養荘にて さゞなみをたゝみて水の澄みにけり 『冬三日月』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

宵闇やたまたまひかる水たまり 『いとう句会壬午集』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

わたくしの死ぬときの月あかりかな 『季題別全句集』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

待宵の雲のゆるびて来りけり 『久保田万太郎句集』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

九月二十六日、、たまたま浅草にあり ふるさとの月のつゆけさ仰ぎけり 『冬三日月』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

たぎりたつ湯にさす水の夜長かな 『俳諧雑誌』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

「としよりの日」といふものあるよし いくつよりとしよりならむカンナ燃ゆ 『春燈』所収 今は、”敬老の日”で落ち着いたけれど、もとは昭和29年に設けられた「としよりの日」(すんごく直裁なネーミングだなぁ)。これにはさすがに異論がでて「老人の日」とな…

小澤實氏の「万太郎の一句」

合弟子の骨あづかりし相撲かな 『俳諧雑誌』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

秋袷育ちがものをいひにけり 『久保田万太郎句集』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

ある人の来りていひけるは 苦の娑婆の虫なきみちてゐたりけり 『吾が俳諧』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

芝に住めば だらだらとだらだらまつり秋淋し 『久保田万太郎句集』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

一めんのきらめく露となりにけり 『季題別全俳句集』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

露の道また二タまたにわかれけり 『これやこの』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

鏡花先生お通夜の末席にありて 露の夜の空のしらみて来りけり 『久保田万太郎句集』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

昭和十四年九月七日午後二時四十分、泉鏡花先生逝去せらる 番町の銀杏の残暑わすれめや 『久保田万太郎句集』所収 ということで、本日は泉鏡花の命日でした。 鏡花といえば、「天主物語」や「婦系図」などを思い出すなぁ・・・。どちらも子供の頃、テレビ中…

小澤實氏の「万太郎の一句」

鎌倉海浜ホテルにて 波の音をりをりひゞき震災忌 『久保田万太郎句集』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

逗子太一居 縁さきのたゞちに南瓜畠かな 『これやこの』所用

小澤實氏の「万太郎の一句」

町住ひのをかしさは 闇の米うりにくる涼あらたなり 『春燈』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

祭のあとのさびしさは 新涼の身にそふ灯かげありにけり 『道芝』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

八月二十六日は諏訪神社の祭礼なり。ーー屋台ばやし聞え来る かまくらをいまうちこむや秋の蝉 『道芝』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

白粉の花にさす日となりにけり 『藻花集』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

『細雪』自家版を読了、たゞちに作者におくる 下の巻のすぐにもみたき芙蓉かな 『これやこの』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

東京に育ちて四十余年、いまだ川びらきのけしきを知らず 照りこみし空に花火のあがるかな 『吾が俳諧』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

八月二十日、燈火管制解除 涼しき灯すゞしけれども哀しき灯 『これやこの』所収