haiku

BS2「列島縦断俳句スペシャル」

母が見ていたこの番組。志の輔師匠が選者で出演されていたので、わたしもついつい、一緒になって見てしまった。 金子兜太さんと稲畑汀子さんの、丁々発止のやり取りが面白い(笑)。これは、毎回恒例のことらしい。金子さんは、前から興味のある俳人の方なの…

林哲夫さんの

日記*1の日々のタイトルが、自作の俳句で、これがとても素敵だ。昨日の「はなびらが風のかたちをなぞる道」特にいいなぁ・・・。林さんの絵も好き。 *1:「デイリースムース」http://www.geocities.jp/sumus_co/daily-sumus0504.html

小澤實氏の「万太郎の一句」

鮟鱇もわが身の業(ご ふ)も煮ゆるかな 『春燈』所収 「落語とは業の肯定だ」とは、談志師匠のお言葉。 去年のこの日録をチェックしたら、誕生日のことなんて、一言も書いてなかったのに、今年はちょっと書いてしまったが故に、皆様にいらぬ気遣いをさせて…

小澤實氏の「万太郎の一句」

「日本海号」食堂車 雪になるはずがかく晴れクリスマス 『春燈』所収 今年は、暖かいせいか、まだまだ暮れの気分が出ない。クリスマスもねぇ、なんだか「今日がイブですかぁ?」という感じ。 もともと、クリスマスとは縁が薄いこともあるし、師匠のお誕生日…

小澤實氏の「万太郎の一句」

牡蠣舟にもちこむわかればなしかな 『春燈』所収 解題によれば、牡蠣舟というのは、もともとは牡蠣料理を食べさせる屋形船だったそうで、その後は舟を模した建物になったそうだ。そんなものがあったんだぁ・・・。いつ頃のことなんでしょうね。

小澤實氏の「万太郎の一句」

「山の茶屋」にて文藝春秋句会。……「一」あるいは「二」の数字を結べよ、とあり 貧すれば鈍の一茶の忌なりけり 『春燈』所収 旧暦の十一月十九日が、一茶忌だそうです。

小澤實氏の「万太郎の一句」

なまじよき日当りえたる寒さかな 『春燈』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

世はあひもかはらぬ黙阿弥ばやりなり 短日や小ゆすりかたりぶッたくり 『春燈』所収 昭和27年の作とのこと。当時、黙阿弥ブームだったんだ。

小澤實氏の「万太郎の一句」

冬ざれの野川となりて流れけり 『冬三日月』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

十二月十日ーー上京。車中、蒲田とおぼしきあたりにて 枯蘆の日にかゞやけるゆくてかな 『春燈抄』所収 蒲田のあたりに蘆が生えている場所があったんですね。解題を読むと、この句は昭和20年の作。

小澤實氏の「万太郎の一句」

病 む 枯野はも縁の下までつゞきをり 『久保田万太郎句集』所収 解題によれば、芭蕉の「旅に病んで夢は枯れ野をかけめぐる」という句が、万太郎の念頭にあったのではないか?という解釈があるそう(安住敦)。

小澤實氏の「万太郎の一句」

蓮玉庵主人に示す 蓮枯れたりかくててんぷら蕎麦の味 『春燈』所収 蓮玉庵といえば、不忍池のほとりにあるというお蕎麦屋さん。一度、行ってみたいと思いつつ、未だ果たせずなのだけれど、ここには万太郎自筆のこの句の石額があるそうだ。先代と万太郎が親し…

小澤實氏の「万太郎の一句」

笑福亭にて 枯蓮の水にまばゆき入日かな 『春燈抄』所収 前書き(こういうの、正式にはなんて言うんでしょう?)に出て来る「笑福亭」が何かは、はっきりとわからないのだそうだけど、蓮池の眺望が自慢の料亭かなにかでは?と解題で推測されている。 「笑福…

小澤實氏の「万太郎の一句」

十二月四日、雪岱画伯七七日、千歳烏山妙高寺にて 枯芒刈りふせてありことごとく 『久保田万太郎句集』所収 小村雪岱といえば、岩波文庫から随筆集が出ていたような・・・。と思ったら中公文庫に『日本橋檜物町』が入っていたのだった。坪内さんが何かで紹介…

小澤實氏の「万太郎の一句」

冬の灯のいきなりつきしあかるさよ 『久保田万太郎句集』所収

小沢實氏の「万太郎の一句」

鍋に火のすぐきいてくるしぐれかな 『冬三日月』所収

小沢實氏の「万太郎の一句」

「酉の市」前夜を土地にては「宵酉」といふ。 宵酉の郭の雨となりにけり 『流寓抄以後』所収 今年は三の酉まであるんですよね。俗に「三の酉まである年は、火事が多い」というけれど、今年のこれまでを振り返ると”天災が多い”という風にも・・・。 どうか、…

小沢實氏の「万太郎の一句」

下高輪のさる方にて 冬紅葉濃き日たゝへてしづかなり 『春燈抄』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

新年の仕事に没頭 山茶花に昨日(きのふ)のごとく暮れにけり 『道芝』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

十一月七日 茶の花におのれ生れし日なりけり 『冬三日月』所収 今日は、万太郎の誕生日だそうです。お茶の花なんて見たことないけれど、白い花びらに金色の芯の、控えめながら綺麗な花だそう。

小澤實氏の「万太郎の一句」

まざまざとさしてくる日や暮の秋 『春燈』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

大 仁 ゆく秋の不二に雲なき日なりけり 『これやこの』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

おもはぬ人に逢ひて 何もかもむかしの秋のふかきかな 『冬三日月』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

灯のともるまでのくらさや秋の暮 『春燈』所収 秋の暮れ方っていうのは、なんとなく名残惜しい感じがして、寂しさも増す気がします。 冬はアっという間に暮れていくから、いっそ、潔いのに。

小澤實氏の「万太郎の一句」

柳 橋 秋の暮汐にぎやかにあぐるなり 『これやこの』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

箱根にて みえてゐて滝の聞えず秋の暮 『わかれじも』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

菊人形さへ錣引なつかしく 『春燈』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

後の月には待宵もなく十六夜もなし 十三夜孤りの月の澄みにけり 『春燈』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

大皿の酢蛸も淋し秋まつり 『新装』所収

小澤實氏の「万太郎の一句」

中入にて寄席を出づ すぐやみし雨の夜寒となりにけり 『文藝春秋』所収 今日はとてもじゃないけど、雨は「すぐやみし」とはなりそうもない。その上、朝から寒い・・・。