「惨敗」の予感

サッカー日本代表vsコスタリカ代表の試合を、テレビ観戦する。
なんとも不甲斐ない、そして中味の薄い試合であった。
これが「決勝トーナメントを視野にいれた戦い」だというのなら、そんな大それたことは始めから考えないほうがいい。
90分の戦いのなかで、本当に手に汗握るスリリングなシーンが、はたして何回あっただろうか?
決定的なゴールシーンが非常に少なく、コーナーキックフリーキックといった、日本が得意とするセットプレーを使える機会もほとんどない。もっと白熱したゲームでの1対1というスコアならば、まだいくらかは納得もできるのだが、あれではね・・・。

日本代表の選手の起用法にも、大いに疑問と不満が残った。
ある程度の時間、使ってこそその持ち味が活かされる中村俊輔を、トルシエは残り10分まで使おうとしなかった。
そこに至るまで、きちんと各選手が機能していたのならともかく、単調なボールのやり取りに終止し、たまに訪れた絶好のチャンスをフォワードがことごとく外すという展開が続いていたのだから、その段階で選手交代をして、戦術を建て直すべきだったのではないだろうか? 残り10分でピッチに立たせて「もてる力を発揮せよ」と俊輔にいうのは酷であり、間違っている。
やはり、トルシエは俊輔を使うつもりはないのだ、とファンが落胆しても無理はない。もっと早く俊輔を投入して、コーナーキックフリーキックを彼に委ねられるシーンを数多く作ることができれば、違った展開が期待できたはずだ。

未だにJリーグで1点も得点を挙げていないフォワードに、どんなにいいボールを出したとしても、得点が入る可能性がひじょうに低いのは、火をみるより明らかではないか。相手は、世界なのだ。そんなに甘くはないはずだ。
なぜ、久保や俊輔をもっと早い段階で投入しなかったのか?
金子達仁さんが<A HREF=http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3be9eb04314cb0105a09?aid=p-mittei16105&bibid=00014390&volno=0000>『惨敗』</A>の中で、何度も書いていた「やれるだけのことは、やったと本当に言えるのか?」という4年前のフランス大会に出場した代表チーム首脳に感じたのと同じ疑問が、沸いてくる。

その上、スポーツニュースで確認したら、阪神が今期初の連敗を、星野監督の古巣・中日相手に喫してしまった。やはり、ゴールデンウィーク前に失速してしまうのだろうか?