岡崎武志さんから荒俣宏さんへ

朝は快晴の天気が、昼頃とつぜん雨雲に覆われる。その後、また天気は回復したが、寒さは厳しい。
ベランダの前にそびえるケヤキの木の葉がだいぶ色付いて来たが、きれいな紅葉とは呼べないのが、残念。

このところ週末恒例となっている、青山LIBROへ。
赤瀬川原平さんの『明解 ぱくぱく辞典』(中公文庫)と、岡崎武志さんの『古本病のかかり方』(東京書籍)、福田和也さん×柳美里さんの『響くものと流れるもの』(PHP研究所)を購入。
例によって岡崎さんの『古本病のかかり方』を一気に読む。

いろいろと面白いエピソードが満載で、この本も面白い。その中でも特に、興味をひかれたエピソードが2つあった。
一つは、出版社「青蛙房」の社長が、岡本綺堂の息子さん(養子)だということ。
この出版社からは、戸板康二先生の本など歌舞伎関連のものが出ていたのだが、そういうつながりがあったのかと、初めて知った。
もう一つは、西村晃さんの父上が荒俣宏さんの『帝都物語』にも登場する、ロボット「学天則」を作った西村博士であったということ。

荒俣さんの『帝都物語』からは、最近流行の「陰陽道」、満鉄、建築と都市計画などなど、それまで知らなかったりあまり興味を持たなかったものの存在を教えていただいた小説で、これを機に荒俣宏さんにも注目するようになった。
とはいうものの、荒俣さんの小説は『帝都物語』以降、読んでいないのだが、『日本妖怪巡礼団』を読んで、オカルティストなのかと思っていたら、『帯を解く福助』のような今まであまり人が注目していなかった、身近にあるもののルーツを探る面白さ、それらにまつわる資料収集ぶりとその読み方が、人並みはずれていることに驚かされた。
以後、荒俣さんの博覧強記ぶりには、常に圧倒されている。
最近、BOOK OFFで、集英社文庫から出ていた「荒俣宏コレクション」を入手しているので、久しぶりに読んでみようと思い立った。