モニカ・ベルッチの美しさと実力に圧倒された

今夜は映画の試写に行った。作品は「アレックス」。ギャスパー・ノエ監督、モニカ・ベルッチヴァンサン・カッセル主演だ。
今年のカンヌ映画祭で話題を集めた作品だという。
たまたま、この作品の配給会社に知人がいて、女性に感想を聞きたいということで、呼んでいただいた。

Rー18指定の作品ということで、もっと過激な内容を予想していた。もしかすると、「鬼畜大宴会」を見た時のような、不快でスクリーンを正視することができないような展開が続いたら、イヤだな、とまで思った。確かにかなりキツイ暴力描写が前半は続くので、このレーティングは当然だろう。しかし、クライマックスに向かって、前半の不安感や不快感をあおるような描写が、どんどん浄化されて行って、ラストはとても美しいものだった。
ただし、事前に作品のストーリー展開やカンヌでの上映の際のエピソードなどは、あまり知らない方が、この作品のラストをより一層、深く味わえたかもしれない。

ギャスパー・ノエ監督は、脚本、撮影、編集も自ら担当している。
前半に多用された、絶えず振り回すような映像とトマ・バンガルテルのオリジナル曲は、無気味ささえ感じさせる。それに対して、エンディングに向けてどんどん高みへと昇って行くような感じは、対比の妙だ。
ベートーヴェン交響曲第7番も、ラストで効果的に使われていると感じた。

ヴァンサン・カッセルは、役どころも演技も予想どおりだったが、モニカ・ベルッチは、その美しさとこの厳しい役をみごとに演じきった力量に、圧倒された。「マレーナ」を見ていないので、近いうちにレンタルビデオで借りて、見てみたいと思った。