遅ればせながら(1)

雨の降り続いた寒い一日。
この冬一番の寒さがあと2〜3日は続くと、天気予報が言っている。

昨日、いつもの本屋に寄ったら「このミス」が発売になっていた。
日本の一位は横山秀夫さんの『半落ち』、海外は『バッタ(漢字が出て来ないのでカタカナ表記)の農場』。
どちらもあちこちで話題になっている本なので、気になってはいたのだが、どちらもまだ読んでいない。

「このミス」にランクインするような小説を読まなくなって、数年経つ。もともと、よほどじゃないと小説の単行本は買わなかったのだが、その分、図書館通いをしていたので、結構、話題の冒険小説やハードボイルドなどは、国内外問わず読んでいた。
この数年は、”ベストセラー”として世でもてはやされている小説というのが、わたしにとってはあまり魅力的とは思えなくなっていた(例外的に、好きな作家の本だから、とりあえず読んでみるということはあったが)。それではどんな本を読んでいたのかというと、ノンフィクションやエッセイが主だったように思う。
そして、坪内さんの本に出会い、シブイ本の魅力に目覚め、中野翠さんや福田和也さん、鹿島茂さんといった人々の本から、これまで知らなかった世界の本の面白さを教えていただいたと同時に、かつて読んだ本の中にもわたしが気付いていなかった面白さを気付かせてもらったようだ。

今日は、遅ればせながら、桐野夏生さんの『ローズガーデン』(講談社)と、ベルンハルト・シュリンクの『朗読者』(新潮クレストブック)を立て続けに読んだ。
どちらも前々から気になっていた本で、本棚の目立つところには置いてあった。