講談もおもしろいなあ(1)

掲示板にちょもさんからお知らせいただいた、旭堂南湖さんの独演会「第二回 幻の南湖」を聞きに、お江戸両国亭に行って来た。
南湖さんは、大阪舞台芸術新人賞を先頃受賞した方。大阪の第一人者・南綾さんのお弟子さん。

演目は、
一、古典講談「長短槍試合」(「太閤記」より)
二、新作講談「誕生日」(南湖作)
三、探偵講談「幻燈」(原作・初代快楽亭ブラック/脚色・芦辺拓
仲入り
四、対談「ミステリあれこれ」(山前譲さん)
というもの。

なんとなく「落語とは違うもの」で、真面目な内容なのかな?と思っていたけれど、南湖さんが登場して、「長短槍試合」が始まる前にひとしきりおしゃべりタイムがあって、のっけから笑わせていただいた。
「長短槍試合」は、木下藤吉郎時代の秀吉が、信長に「槍は長いのがいいか、短いのがいいか?」と意見を求められ、槍術指南の「短い槍が良い」という意見に真っ向から反対したため、3日後に短い組と長い組で試合をせよと命じられるという話。
槍術指南の先生は、集まった50人を相手に真面目に槍を基礎から教えようとする。
一方、藤吉郎はというと、50人に2日間にわたって、酒食をふるまうばかりで、練習は一向にしない。3日目にやっと戦術を授けるのだが、これまた相手方の兵を1人つれて来たらいくら、槍を1本拾って来たらいくらと、兵の欲をあおる戦法。
試合の結果は、火を見るよりも明らかで、藤吉郎方の圧勝で、信長も長い槍を採用することにする。
太閤記」の話を面白おかしく聞かせてくださった。

南湖さん自作の「誕生日」は、亡くなったお母さんが毎年必ず作ってくれた、フルーツ・ポンチの思い出を、講談に仕立てたもの。これが、笑いあり、最後にホロっとするオチありで、大いに楽しめた。