新装開場10周年の池袋演芸場(2)

雲助さんが、まさか「品川心中」とは思わなかったので、びっくり。会話の部分のメリハリが効いていて、笑い中心の仕立てになっているのだが、お染が心中を思い付くに至る過程、金ちゃんが家財道具を売り払って匕首と死に装束を買うところ、親分の家に挨拶に行って匕首を忘れて来ちゃうところ、二人が心中しようとした品川の桟橋の情景、夜中に金ちゃんが親分の家を訪ねて行ったせいで親分の家が大騒ぎになってしまうところ、などなど細かいところまで神経が行き届いている。
お染のしたたかさ、金ちゃんの間抜けな加減が見事に浮き彫りになった「品川心中」だった。

開場10周年記念興行ということもあってか、夜の部を通して、あまりダレるところもなく、楽しめた。