てぇへんだ!てぇへんだ!!(2)

続いては、志ん五さんの十八番と前々から聞いていた”与太郎”モノ。そもそも、与太郎にもおかみさんがいるとは、びっくり。
仲トリは、米助さん。お得意の野球ネタのオリジナルらしい。意外に大人しい高座で、残念ながらわたしにはちょっと退屈な感じだった。
仲入り後は、喬太郎さんの「転宅」。先日、池袋でうかがった新作の女性と「転宅」のお菊さんが同じような感じに聞こえてしまった。確かに色っぽい、いかにものお菊さんなのだが、騙される泥棒の方が、もうちょっと男っぽいと良かったかな? というのが、初心者の感想。

トリは、昨日もうかがった金馬師匠の「佃祭」。マクラは昨日と同じ、NHK金曜時代劇の番宣だった。マクラの時はなんだかあまり期待しなかった。
ところが、本題に入ると、肩の力の抜け具合が丁度良くて、スルスルと頭の中に、佃島の船頭さんの家、裏の長屋の人達が寄ってたかってお弔いの準備を始めてしまった次郎兵衛さんの店の様子が浮かんで来た。
ちなみに、開口一番の朝左久さんも、昨日もお目にかかったのだった。
声が良くて、活舌もいいし、昨日の鈴本にくらべて客席がかなりざわついた状況でも、一生懸命勤めているのは、好感が持てる。