落語三昧週間、スタートは浅草から上野(2)

ペペ桜井さんというギター漫談の方、太神楽曲芸は、初めて。
噺家さんも、半分以上が初めましての皆様で、その中では噺のあとに踊りを披露した志ん弥さんが良かった。
雲助さんは「粗忽の釘」。どうも雲助さんというと、出会いが「お富与三郎」だったせいか、地噺の人というイメージがわたしの中では強いのだが、こういう落とし噺も面白いということを、確認した。
馬風さんは、もう登場するだけで「待ってました!」と声がかかる人気ぶり。
高座をうかがったのは初めてだが、結構下ネタが多くて、わたしはあんまり・・・。ただ、場内を沸かせることにかけては、お見事。談志師匠の選挙の時の話なども、時節柄か、面白おかしく入れていらっしゃる。

仲入り後は、まず口上。雲助さんの司会!で、最初に金馬さんが挨拶。続いて馬風さんが巨人が優勝できなかったことをくどくどと話すと、金馬さんと円菊さんがたしなめるという、これは多分毎日お決まりの流れなのでしょう。新・真打の師匠である円菊さんは、割舌があんまり良くない?モゴモゴした話し方だけど、一人で披露目をと推薦された弟子を持って、嬉しそう。
で、三本締め。音頭は馬風さんのはずが、前置きをいろいろ言っているうちに、金馬さんが「それでは、お手を拝借。ヨー」と声をかけてしまうというのも、多分毎日のお決まりなのだろう。
歌舞伎と違って、舞台の上にはひいき筋から送られた、後ろ幕や酒樽、博多献上の角帯が飾られて、和気藹々としたムードで「ここでも笑いを取ってやる!」という感じで、歌舞伎の口上に比べると、くだけたものなんだな、と実感。
緞帳が下りる間際に、ごひいきの方が、ご祝儀袋を持って舞台の前に駆けつけるというのも、微笑ましい。

新・真打の菊之丞さんは、口上で一言も口を開かなかったということもあってか、マクラで心境などをサラッとだが、語っていた。
噺は「青菜」。よくさらったな、というよどみない噺の運びだ。先日「落語研究会」で聞いた「反魂香」より良かったと思う。
本日の一番驚いたで賞(なんていうと、失礼だが)は、金馬さんの「長短」。はじめて落語をうかがったが、上方者ののんびり加減と、江戸っ子の気短の対比がおかしかった。年季の入った芸を見せていただいた。