隅から隅まで読みたい「BOOKISH」(1)

やっとめぐり合えたのね!と言いたくなるような「BOOKISH」5号。
ネットで交流のある皆様から噂に聞いてはや、2週間くらいは経ったか?という頃、エイヤっとばかり、池袋のジュンク堂書店に行って、やっとご対面、連れて帰ることとあいなった。

今回の特集は「落語の本あらかると」ということで、なんと私にとって、タイムリーな企画なんでしょう!と、それだけでも感動してしまったのだが、加えて、藤原さんの日記にて、この特集で紹介されていた本をお読みになった感想が、ますますわたしのワクワクドキドキ感を呷ったのだった。
(特集の目次は、<A HREF=http://www.di-do.net/cgi-bin/mittei/index.cgi?200310>「落語のおと」</A>で)

ついでに、久しぶりのジュンク堂ということで、3階の文芸書売り場と9階の芸術書売り場をふらふらと見てまわり、積ん読本がまた増えてしまった。
とはいえ、前々から見つけたら買おうと思っていた、坪内さん編集の「明治の文学」シリーズの三遊亭円朝の巻や、矢野誠一さんの『落語歳時記』(文春文庫)などを見つけることができたというわけだが・・・。
帰りの地下鉄の中で、さっそく「BOOKISH」を取り出して読み始める。

大西信行さんの「落語(噺)本を考える」では、速記本にも大きく分けると2つのタイプがあること、『古典落語大系』が生まれたいきさつなど、興味深い話がたくさん出てきた。
実演をいかに活字で読んで面白く、かつ資料的にもきちんとしたものを、後世に残すか、という課題は、さまざまな人のさまざまな取り組みによって、形を変えてわたしたちの手元に届いているのだということを知った。

そして、戸田学さんの「不思議なるかな正岡容」では、先日読んだ『聞書き 寄席末広亭』にも何度も登場して興味を持った、正岡容の人となりが紹介されている。ちなみに、大西さんは正岡門下で、正岡の教えというのが、「落語(噺)本を考える」の中でもしばしば引かれている。
やはり、明治以降の演芸というものを知るうえで、正岡という人のことは避けては通れないようだ。しかし、彼の著書は新刊では買えないようなので、折に触れて古本屋さんで探してみることにしよう?