サントリー美術館

で開催中の「日本絵画に見る女性の躍動美 働く女、遊ぶ女」展を見に行く。
中で一番のお気に入りは、喜多川歌磨「美人夏姿図」。紺地に絣模様の紗のきものに若草色の花柄の帯を締めた、スラっとした立ち姿の美人が、手鏡で化粧をチェックしているという絵柄の掛け軸。
朝顔につるべとられてもらい水」でお馴染みの、加賀千代女が描いたという「夕涼図」は、波に千鳥の柄の浴衣をきた女性が、団扇片手に立っているという図柄なのだが、表装にも波の柄があしらわれていて、これまた「いいな」と思った。
「伝薄雲・高尾太夫図」は、「これが、あの高尾太夫か・・・」と思いながらしげしげと眺めた。また、「おせん茶屋」も「これが笠森おせんか」と。
十二単の美女たちより、やはり江戸の女たちの姿が描かれた作品に、目を奪われるのは、きものの柄の多彩さのせいだろう。
山東京伝の「人物図鑑」に描かれた江戸のさまざまな女たちのきもの姿に、しばし見入ってしまった。
絵に出てくる女たちがまとうきものもいいのだけれど、表装に使われている紙や布がまた、とてもいい。絵の題材との兼ね合いを慮った表装は、柄の合わせ方の参考にもなるなと思った。
きもの好きの方には、一見の価値ありの展覧会です。
ミュージアムショップに「ちょっといいな」というカゴバッグがあったのだが、わたしには小さすぎてだめだ。