『粋曲』

このところのヘビーローテーションといえば、柳家紫朝師匠のCD『粋曲』。言葉にできないスゴさが。なんだろうなぁ。「どうだ!」っていうんじゃない。自在なんですな。節も間も。多分、これは他の誰にも真似ができない世界なのでしょう。
たとえば。「お伊勢参り」という小唄に、芝居のサワリがちょっとずつ入っていて、「玄冶店」の「おかみさんへ、ご新造さんへ、いやさお富、久しぶりだなぁ」っていうセリフとか、「三千歳」の他所事浄瑠璃の清元のひとくさりとか、これがすごいんですね・・・。正直、「三千歳」なぞ、今まで聞いたどの清元よりすごい!と、聴く度に思ってしまいます。今でも歌舞伎の名場面を、声色でなさる方もいらっしゃいますが、次元が違う。表面をなぞる「真似」じゃないんですね、紫朝師匠のは。オリジナルなんだけど、聴いていると、場面が目の前に浮かんでくるのです。
とにかく、邦楽のエッセンスがギュっと詰まっているという感じ、とでも申しましょうか。
ところどころに挿入されている、ちょっとしたおしゃべりがまた、味があっていいのですねぇ。
ご興味のある方は、御頭のHP*1の「お知らせ」をご参照くださいませ。