立川談春大独演会

今日は、談春さんのネタの中でも、何度聴いてもお腹を抱えて笑ってしまう「野ざらし」と、これまた好きな「三軒長屋」。
「野ざらし」は、今までにも増して、飛ばしていらしたのでは?という感じ。次から次へとよくもまぁ!という位、いろんなところに起爆装置が仕掛けられていて、もうとにかく笑いっぱなし。釣り糸を川に投げ込むところ、棹で水をかき回しちゃうところ、「鐘がボンと鳴りゃよ〜」の唄も、ブッとんでいたし、もう、大変。その一歩間違えれば、たんなる暴走になりかねないところを、ちゃんと押さえていて、談春さんの落語の骨格を見せつけられた気がする。
「三軒長屋」も、前に独演会で聞いた時からさらにパワーアップ! 三軒の家の空気の違いが、聞いているだけで感じられて、目の前に登場人物が一人一人、くっきりと見えて来る。特に、頭の家が、お得意の啖呵の切れ味がよくて、ようござんした。
さすがに三日間、大ネタの連続、大物ゲストとの一騎打ち?でお疲れのご様子。でも「20年という節目の年に、大きな会をやります!」と去年の暮れに聞いて以来、ずっと楽しみにしていた、その期待は裏切られなかった。たぶん、もう最後だからヤケっぱちだぞ!というポーズを、あちこちにちりばめたのも、作戦のうちなのでは・・・(笑)。 
談春さんの人情噺ももちろん好きだけれど、こういう爆笑できる落語らしい落語で三日間の会を締めたというのが、談春さんの決意表明かな?と勝手に思ったのですけれど、間違いでしょうかねぇ? 
昨日の「紙入れ」「夢金」「文七元結」「大工調べ」が聞けなかったのは、残念だけれど、2日間、聞くことができて、本当に良かった!と思う。これから、談春さんがどんな落語を聞かせてくれるのか、ますます楽しみになった。