小澤實氏の「万太郎の一句」

しかればや
偽書花屋日記読む火をうづめけり     『春燈』所収

「花屋日記」という芭蕉臨終記が偽書だったということを知って、がっかりした心境を詠んだ句なのだそう。芥川の「枯野抄」の下敷きにもなったもので、万太郎さんは口語訳まで出す位、愛読していたのだそう。「火をうづめ」るのと一緒に、この本も目につかないところにうづめてしまいたかったのでしょうか・・・。