落語研究会@国立劇場小劇場

  • 林家ぼたん「金魚の芸者」
  • 柳家一琴「三人無筆」
  • 柳家権太楼「質屋庫」

仲入り

今日は、落語研究会の高座に初めて、女性噺家さんが上がるということで、ある意味歴史の瞬間に立ち会ったとも言える会。しかも、前座がこみちさんなのであった。だから、一琴さんが登場するまで、女性しか高座にいないという状況だった。
で、ぼたんさん。前からいいなぁと思っていたのだけれど、今日の「金魚の芸者」を聞いて、ますます好きになった。堂々とした高座を勤めていらして、なんだか感動してしまった。「金魚の芸者」というネタは、ぼたんさんのためにあるんじゃないか?と思った。
「三人無筆」は、多分生で聞くのは初めてのネタ。お葬式の記帳は、今でこそ”銘々”で書くのが当たり前だけれど、かつては、受付の人が書くのが普通だったんだ、と。で、無筆の二人がその係になってしまい「故人の遺言で」といって、会葬者に書かせることにするのだけれど、途中、町内の書道の先生がやって来たら、会葬者が次々に先生に代筆を頼むところが、おかしい。そして、最後にやってきた熊さんがやはり字が書けなくて、困ってしまって、落げになる。これも面白いネタだなぁ。一琴さんは、こういう馬鹿馬鹿しい奴が出て来るネタしか聞いた事がないような気がするけれど、もっと他のネタも聞いてみたいものです。
権太楼さまは、マクラで非常に危ないネタをフっておいて(とはいえ、先日の一門会よりはだいぶ、トーンダウンしていたけれど)、仕切り直して「質屋庫」に。定吉の適当な話をすっかり真に受けて、頭が質屋の旦那に詫びを入れるところが、非常におかしい。そして、いよいよ蔵の番を始めるのだけれど、火の玉が出た後の展開も面白かった。やっぱり、権太楼さまの落語は、大好きだ。
そして、昇太さんの「そば清」。今まで聞いた「そば清」は、そば清が蕎麦を平らげて帰る時に「どぉーもー」というのが、笑わせどころだったのだけれど、昇太さんのは、そうじゃなくて、蕎麦を食べるところそのものをショーアップしていて、なるほどねぇと。やっぱり、昇太さんの古典も、昇太さんにしかできない味があって、好きだなぁ、と思った。
「景清」は、業務連絡のため、表で電話をかけたりしていて、ちゃんと聞けず、残念。