『おぅねぇすてぃ』

久しぶりに、宇江佐真理さんの作品を読む。

宇江佐さんご自身が後書きでも書いておられるように、珍しく、明治初期が舞台の作品。英語の通詞を目指す千吉と、幕末に通詞の娘だったお順との、波瀾万丈の恋愛を軸に、当時の函館、東京、横浜の様子が生き生きと描かれている。幕末から明治にかけての、英語教育といえば、福沢諭吉がまず思い浮かぶけれど、福沢とは別の行き方で、英語を身につけた人々だっていたのだ、そして、その中にはその後の英語教育に力を尽くした人があったのだ、というのは、これまで知らなかった。
また、築地の居留地や、横浜、函館の町の様子が描かれている部分では、これまた、今まで知らなかったことをいろいろと教えていただいた。
何事も、おぅねぇすてぃを持つことが大事なんだな。