落語研究会@国立劇場小劇場

今日は、大三宅坂落語祭。なんたって、おとなりは談志一門会ですから・・・。体が二つあればねぇ・・・。どうやら、談春師匠は「文違い」をかけたらしい。まぁ、未練たらたらではあるのだが、こっちはこっちで、面白かったからいいんだ!

  • 「動物園の虎」三太楼
  • 「棒鱈」圓太郎
  • 「九州吹戻し」雲助

仲入り

  • 「喜撰小僧」市馬
  • 木乃伊取り」さん喬

今日はなんと、トップバッターから真打ですよ! で、「動物園の虎」って何、何、何?という期待が客席いっぱいに。マクラでがんがん隣を意識する発言が飛び出し、三太楼師匠が盛り上げる、盛り上げる。で、ネタに入ったら「あれ? これって動物園???」という空気が・・・(笑)。でもね、三太楼師匠の「動物園」はほんとスゴいんだから、いいです、これで。「右に行きたい場合は、左の肩を下げる」と係の人が説明しながら身振りをやって、ついでに「立川流の前座には、これはできませんから」とか言ってるし(爆)。それでも、前に大間々で聞いた時にくらべれば、まだまだ押さえ気味だったのではないかと。まぁ、研究会ですからね。もう、出だしからこれですから。はい。
そして、本日の目から鱗はさん喬師匠の「木乃伊取り」。やっぱり、さん喬師匠は、こういうネタをもっと研究会でもやっていただきたい! 吉原に居つづけする若旦那に、ほとほと手を焼く父と母。番頭さん・頭と、若旦那を連れ戻しに刺客を放ったのに、行った人たちが、逆に若旦那といっしょに居つづけ。で、最終兵器が、飯炊きの清兵衛さん。もう、落語に出て来る”田舎モン”以外の何者でもない清兵衛さんだが、とりあえず、途中までは非常に真っ当な、誰が聞いても「その通り!」という意見をブつ(そう、これはまさにブつなんだよ)。なのに、お酒が好きなもんだから、若旦那に「駆けつけ3杯だから、それを飲んだら一緒に帰ろう」なんて言われて、綺麗な妓にお酌をされて飲み始めちゃって、どんどん酔っぱらって(そんな飲みっぷりじゃあ、すぐに酔っちゃうよ!と教えてあげたくなるような感じ)、清兵衛よお前もか!ということになる。この清兵衛さん・若旦那・妓の演じ分けが非常にくっきりしていて、こうじゃないと面白くないんだよね、このネタは!というお手本みたいな感じだった。そして、わたしの目の前には、吉原の角海老の座敷(なんて見たことないけど、歌舞伎の舞台面からなんとなく想像できる)が目の前に浮かんで来て、そこにいかにもお坊ちゃま然とした若旦那、お調子者の番頭さん・おっちょこちょいの頭・綺麗な妓vs清兵衛さんの図がくっきりと浮かんでおりましたとさ・・・。