リビング名人会 立川談志@よみうりホール

今年最後の談志師匠の独演会。先日のひとり会でちょっと気になる発言があったので、どうなのかなぁ?と。ある意味、談志という噺家のドキュメントを見せていただいた、という会だったと思う。
会場まであとちょっと、というところで、職場から電話。結構やっかいな問題だけど、ここで戻るわけには行かぬ!(笑)。電話であれこれお願いして、エスカレーターをどんどん上って、会場へ。結構ギリギリだったけど、エレベーター前にまだお客さんがいっぱいいたから、多分、開演を少し遅らせたのではないだろうか?
「前座の上がり」が聞こえてきたので「アレ?」と思ったら、あまり見慣れない前座さんが登場。「立川平林(ひらりん)と申します」と。そういえば、池袋の一門会の大喜利の時に、座布団を運んでいたあの彼か!と。しかし、普段、開口一番を使わない談志師匠だけに、ああ、やっぱり・・・と。
登場すると、やっぱり調子が悪いという話。周りは「そんなことないですよ」と言ってくれるんだけど、ご本人としては、ダメなんだと。で、ジョークをあれこれやって、「ぞろぞろ」。
仲入りをはさんで、やりたくないと言いながらも、加賀まりこさんに「芝浜やるんでしょ?」と言われちゃったからと、やっぱり「芝浜」。途中、ハプニングがあったけれど、そんなことは、わたしにとってはなんともないこと。
今日の談志師匠のおかみさんは、めちゃ可愛い。やむを得ずついてしまった嘘に耐えられないという心がにじみ出ていて、それがすごくチャーミングな女の顔になっていた。そして、一度はおかみさんの襟首をつかんだ勝五郎なのだけれど、すぐにおかみさんの話をちゃんと聞いてやろう、という決心をする。大晦日のその件りを聞いていて、ついホロリとしてしまった。
「よそう、また夢になるといけねえ」と落げた後の談志師匠の表情は、とても苦いものを飲み込もうとしているように見えた。ご本人にとっては、それはそうなんだろうけれど・・・。