『早稲田古本屋日録』

セドローさんの記念すべき1冊目の本。普段の日記(id:sedoro)は面白いネタをあれこれ提供してくださっているのだけれど、この本を読むと、もう一人の向井透史さんが、見えて来る。普段の日記も、人やモノへの優しさはにじみ出ていると思うのだけれど、この本に収められた文章は、そういう向井さんがもっと前面に出て来ている感じ。
早稲田の青空古本市への日々をつづった、後半の日記で、毎日のようにはてなで読んでいたセドローさんとは別の、もう一人のセドローさんの心模様が、見えて来る。サラっとしているところに、変わりはないのだけれど、ひとことひとことに、クリスタルガラスが光を受けて反射する瞬間みたいな、キラっと光っている。ギラっじゃないところがステキだ。それと、やっぱり、周りへの目の配り方がすばらしい。
カバーに使われている写真が、この本全体の雰囲気をよく現している。林哲夫さんの装幀って、やっぱり暖かみがあって、いいなぁ・・・。

早稲田古本屋日録

早稲田古本屋日録