『砂絵くずし』

「なめくじ長屋捕物さわぎ」傑作選と題された1冊。都筑道夫さんの「なめくじ長屋」シリーズは、学生時代に読んでいたのだけれど、落語に興味が湧いてしばらくたった頃から、また読みたいなぁと思っていたシリーズ。で、「ブ」で何冊か入手していたのだけれど、これが「◯◯砂絵」というタイトルだったので、「なめくじ長屋」シリーズとは別のシリーズと思い込んでいて、手をつけていなかったのだけれど、正月に浅草松屋の古本市で、中公文庫版のコレを入手して、その時に「なめくじ長屋」=「◯◯砂絵」だということに気付きそうなものなのに、これまた気付かず、積んであった(汗)。
で、出久根さんの『御書物同心日記』を読んで、ちょっと変わった時代モノが読みたいな〜と思い、『砂絵くずし』に手をつけて、やっと「なんだ、同じシリーズなんじゃん!」と気がついたという、体たらく(大汗)。
「らくだ」のストーリーをそのまま取り入れ、さらにその先を描く「らくだ」、「花見の仇討」でちょっと出て来る花見の趣向よろしく、5人の男の首つりの謎を解く「首つり五人男」など、落語のエッセンスが詰まった作品、あれこれ。いやはや、もっと早く気付くべきでした・・・。