立川談春独演会@横浜にぎわい座

  • 「へっつい幽霊」

仲入り

  • 「大工調べ」

会場に入ると、なんか懐かしい歌がずーっと流れている。どうやら70年代・80年代のヒット曲メドレーらしい。にぎわい座は、毎月、玉置館長が幕間の音楽を選曲しているんだったなぁと思い出した。
緞帳が上がると、紫の座布団。「鞍馬」にのって登場した談春師匠のおきものは、鮮やかなブルー(浅葱色じゃないし、なんでしょうね、あの色は)。「アッチャー」と思ったら、ご本人、座る前に座布団を持ち上げて、袖にとって返し、銀鼠の座布団を自ら持って再登場。場内は爆笑。そりゃ合わないよね、あの座布団とこのおきもの。ブツブツと前座さんへのお小言をおっしゃってるのは、声こそ聞こえないけれどわかりましたよ、はい。
お辞儀をして「いっぱいのお運びでありがとうございます。今日は完売だそうで・・・。でも、その後ろの方にぽっかりとある空席はなんでしょう?」と。わたしも非常に気になっていたのであった。続けて「今日は、静岡の方の団体のお客様が入っているそうなので」ということで、謎は解けたよ、ワトソンくん。
なかなかその団体さんが到着せず、期せずしてマクラは30分に及ぶ(笑)。内容は、談志師匠宅に現れた”骨壺”の話。前にどこかでチラっと聞いたことあったような・・・。しかし、面白いお話だったなぁ。だけど「これって、『en-taxi』の連載のネタになりそうなのに、ここでしゃべっちゃっていいのかしら?」と思ったら、2席目のマクラで「さらに磨きをかけて書きますので、お楽しみに」とのことであった(笑)。
1席目は、久しぶりの「へっつい幽霊」。そういえば、この間、談志師匠の「へっつい幽霊」を聞いて、あれも良かったなぁと、思い出した。やっぱり幽霊が賽子を振るところ、おかしかった。あと、熊さんが「勝負!」っていって壷を振るところの手つきが、本格的。前に、どなたかに本チャンを教えてもらったとおっしゃっていたなぁ、そういえば・・・。
お仲入りの後は、「江戸っ子は五月の鯉の吹き流し〜」という狂歌?をフったので「なんだ、これだと???」と思ったら与太郎さん家に棟梁が訪ねて来たので「オ、大工調べ!」。江戸前の棟梁vs与太郎与太郎vsごうつくばりの大家さん、気っ風のいい棟梁vs大家という対決の構図がわかりやすい。そして、分からず屋の大家さんに業を煮やした棟梁の、キレまくった啖呵! 談春師の啖呵は、ほんといつ聞いても気持いいなぁ。そして「お前も何とか言え」と棟梁にけしかけられて、しどろもどろになり、時に謝っちゃったりする与太郎の情けなさが、これまた非常におかしかった。
アっという間の2時間であった。