立川談春独演会「皐月の恋の吹き流し」@東京芸術劇場中ホール

登場するなり「今日は、中野でSWAをやってますから」と。そうでしたそうでした。そういえば、わたしも明日はSWAであった(オイオイ)。
このホール、落語を聴くには、ちょっと大きいなぁと常日頃思っており(といっても、1階席そこそこのチケットはとれているのだけれど)、キャパが同じくらいなら、国立小劇場の方がいいなぁ・・・。
なんてことをチラっと考えていたら、最近復活している”談春噺(と勝手に呼んでます)”が今日も。ワーイ! 今日は、小さん師匠のご命日なので、小さん師匠との思い出を。そのあたりのことは、「20年目の収穫祭」のパンフに、非常にステキな文章で綴られているわけだけれど、今日の小さん師匠との想い出は、またちょっと別のお話がメイン。志らく師匠の超スピーディーな「文七元結」に談春師の40分はかかったろうという「たらちね」。その時の小さん師匠のお顔、拝見したかったなぁ・・・。さらに「それって、モノスゴイことじゃないですか!」と、勝手に興奮しちゃうような思い出もあったし。そして、談志師匠との前座時代の爆笑想い出噺が展開され(これもいずれ、「en-taxi」で読めるのでは?)、非常に楽しかった。小三治師匠のなが〜いマクラってのは、活字でしか読んだことないのだけれど、多分、”談春噺”もそれに匹敵するんじゃないか?!と、これも勝手に言わせて頂く(汗)。
さて、ネタは何を?と思ったら、吉原が舞台。そして杢兵衛お大尽が登場! この間のにぎわい座の田舎モン対決に勝るとも劣らぬ訛前回の幕開けから「お見立て」。百兵衛さんの「ウッシャ!」もすごかったけど、なんとも書き様のない杢兵衛お大尽の呼び声も、スゴい! 喜瀬川花魁が嫌うのも、無理ないかも・・・などと。また、喜瀬川花魁がご立派! そこまで徹底してくれると、かえって気持いいじゃないですか!という徹底ぶり。そして、喜瀬川花魁が考えついた嘘に、いちいち突っ込みを入れて来る杢兵衛お大尽もたいしたもんだ。この二人の強者に挟まれて、行ったり来たりさせられる若い衆も、それでなかなか、転んでもただじゃ起きない感じだし・・・。
あー、よく笑ったなぁという1時間あまり。
仲入りをはさんで、2席目は「あれ、これってどっかで聞いたことあるネタだよなぁ・・・」としばらく思い出せずにいたら、「そうか!」と気付いた。「20年目の収穫祭」で初演した「遊女夕霧」であった。このネタ、正直いって、初演の時は、あまりいいと思えなかったのだけれど、はい、わたしが間違っておりました。今日の高座をうかがって素直に認めます。なんたって、最初に「小猿七之助」を、身投げを助けるところまでたっぷり聞かせていただける上、その先の圓玉先生と夕霧花魁との火花飛び散るような駆け引きが、展開。このあたりですっかり吸い込まれてしまった・・・。敢えていうと、落げが・・・。

  • 「お見立て」

仲入り

  • 「遊女夕霧」