演舞場ダブルヘッダー

もう、平日に休みをもらって昼夜通しで観るしかない!ということで、演舞場ダブルヘッダーを強行。歌舞伎座にくらべると、座席に余裕があるためか、思ったほどは疲れなかった。
昼の部と夜の部をくらべると、夜の部の方がよかったかなぁ・・・。「石川五右衛門」も「お土砂」も楽しかった! 吉右衛門さんが、あんなコミカルなお芝居をされるのを、初めて拝見。ちょっと「鬼平」の忠吾を相手にいたずらっぽく笑うところとかを、思い出してしまった。この演目は、今の流行モノをいろいろと取り入れていくのが恒例になっているのだけれど、吉右衛門さんがそういうところを、とても楽しそうに演じていらっしゃったのが、見ている方もとても楽しかった。
そうそう、今日は吉右衛門さんのお誕生日だそうで、「お土砂」の途中で、信二郎さんがそのことをお客に教えてくれた。あと、お土砂をかけられて、みんながどんどんフニャフニャになっていくところに、一般客に扮した役者さん(段四郎さんかな?と思ったのだけれど)と劇場係のお姉さんも登場。花束を渡していた。夜の部の最後の演目は、歌舞伎座と演舞場と、同じような傾向のものになったわけだけれど、ここは今回は演舞場の方が面白かったな。
昼夜通して思ったのは、亀治郎さん、踊りが上手いなということ。「八百屋お七」の人形振りのところは、残念ながら後見が、ちょっと・・・であったけれど。「二人三番叟」もよかったし。染五郎さんは、なんかどちらかというと、縦ノリのように見えたのだけれど・・・。「道成寺」は、わたしとしては、バツであった。全体にもったりした感じ。丁寧に踊ろうとしていらしたのかもしれないけれど、それが逆に、間延びした感じに見えてしまった。長唄も、タテ三味線のボリュームが小さくて、替え手があまりよく聞こえないのが、もったいない感じ。「道成寺」は、今野ところ、やはり勘三郎襲名の時の勘三郎さんのがマイ・ベストだなぁ・・・。所化に、御曹司の坊やたちがメインで出ていたけれど、座組が小さいということもあるのだろうけれど、やはり、般若湯とか天蓋とかを子どもが言うっていうのは、しっくり来ない。今月は歌舞伎座に大物が結集しちゃっているので、ちょっと手薄感が否めないなぁと、ちょっとしたところで感じてしまった。引き抜きも、勘三郎さんの時にくらべると、もう一つな感じがしてしまった。芝喜松さんって、結構好きな役者さんではあるのだけれど・・・。
石川五右衛門」でも、真柴久吉の染五郎さんが、がんばっているのは感じるのだけれど、やはり吉右衛門さんとの格の違いが・・・。特に、最後の楼門で上に五右衛門、下に久吉という絵面になったときに、それがはっきり見えてしまったように思う。