昼の部@国立劇場小劇場

およそ1年半ぶりの文楽。昼の部は、歌舞伎のみどり狂言みたいな感じの番組であった。
三味線の燕二郎さんが、師匠の名前・燕三を襲名した披露があり、住大夫さんの口上も聞けて、ラッキー! 終演後、劇場出口で、紋付袴でお客に挨拶をされているお姿をチラっと目撃。こういうのも、歌舞伎や落語(少なくとも定席の披露目では)ではない光景なので、新鮮。
今日の演目の中では、その燕三さんの披露狂言にあたる「ひらかな盛衰記」が、咲大夫さんの浄瑠璃ともども、よかった。蓑助さんも拝見できたし。あと、「蝶の道行」では、人間国宝の三味線の方ばかりをじっくりと観察。やっぱりすごいなぁ・・・。あの分厚い撥とあの太い糸とで、あんなに細かい手を見事に弾いちゃうんだもんなぁ・・・(って、当たり前だけど)。
今日、太棹の音を聞いていて、ふっと思ったのは、常磐津の三味線って、豊後系の浄瑠璃長唄なんかの三味線の中で、一番、義太夫の三味線に近いんじゃないかな?ということ。あの清元にない三味線の響きは、義太夫の三味線の響きに近いものがあるような気がした。だけど、義太夫ほど重厚じゃなくて、江戸好みっていう感じかな?