『囃子とともに』2007_030

十一代目田中伝左衛門先生の著作集。いわゆるエッセイ風のものから、歌舞伎囃子についての論考まで、いろんな媒体に発表した著作が、ほぼ網羅されているとのこと。
当代の伝左衛門さんは、十一代目のお孫さん。母の田中佐太郎先生が十一代目からみっちりと仕込まれた芸を、母上から、これまたみっちり仕込まれたという。そのへんは、数年前にNHKスペシャルで放送された「鼓の家」という番組が追いかけていました。
この本で、特に興味深かったのが、新歌舞伎十八番「紅葉狩」の演奏についての、細かい論考。たまたま、パリオペラ座で海老蔵亀治郎で演じられたものが放送され、それの録画があるので、付き合わせてみてみたいなぁと思っています。
歌舞伎囃子の手附けが、どのようにして出来上がっていくのか、ということについて、こんな風に説明していただくと、これから他の曲を聴き、お稽古していく上で、自分なりに考えてみるよすがになるのではないかと・・・。