『ワキから見る能世界』2007_041

下掛り宝生流の職分である、安田登さんが、ワキの視点で能をとらえ、その世界観を著した一冊。
ワキとは、脇役ではない。言葉ではなんとなく理解したつもりでも、この本を読むまで、もうひとつ、能において、ワキがどんな役割を果たしているのか、わかりにくかったのですが、読んでみて、「あー、こういうことなのかな?」というイメージが湧いてきました。
最後の方では、松尾芭蕉夏目漱石を通して、ワキに託された世界観が説明されていて、これも専門書はいざ知らず、入門書的な本としては、珍しいのではないでしょうか。
芭蕉漱石も、深くは知らないけれど、なんとなく面白そうだな、と思えてきました。
これまた、お能を見る際に、折に触れてそれぞれの演目の内容を予習するときに読んでみたいと思います。

ワキから見る能世界 (生活人新書)

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草枕 (岩波文庫)

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芭蕉 おくのほそ道―付・曾良旅日記、奥細道菅菰抄 (岩波文庫)

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