『日本の舞踊』2007_042

前半は、日本の“舞踊”全般についての解説。後半は、各論という構成。後半で取り上げられているのが、武原はん、七代目坂東三津五郎、六代目中村歌右衛門と七代目尾上梅幸藤間勘十郎(勘祖)、井上八千代、友枝喜久夫の8人。
このうち、わたしが生の舞台を拝見したことがあるのは、はんさん、歌右衛門さんと梅幸さん、勘十郎さん、井上八千代さん。とはいえ、勘十郎さんと八千代さんは、ほんの数回なので、ほとんど拝見したことがないのと、変わりませんが。
いずれにせよ、歌舞伎初心者時代のことなので、渡辺さんが書かれた文章を通して、それぞれの踊り手を知ると、「あー、見たかった!」「もっと見ておけば!」の連続です。七代目三津五郎以外は、とりあえず間に合っていた可能性大の人たちですからねぇ・・・。
八千代さんの項で、八千代さんが「稽古して稽古して稽古したら、何も思わなくなる」と甥の片山慶次郎(能役者)に語ったというのを読むと「結局は、そういうことなんだよなぁ・・・」と。まだまだ、というか、一生かかっても、稽古し足らないままなんだろうなぁ・・・と思うと、なんだか悲しいというか、空しいというか。
でも、とにかく稽古するしかないんだよなぁ・・・。そして、本物をいかにたくさん見、聴くか。
三津五郎さんの項で、三津五郎さんの踊りを支えた、すばらしい地方が亡くなって、拙劣な地方になっても、という文言を読んで、あの頃でもそうだったとしたら・・・と。
保さん、だったら、もっと地方にも注文出してください!

日本の舞踊 (岩波新書)

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