團菊祭大歌舞伎@歌舞伎座

昼夜通しで、歌舞伎見物です。総じての感想としては、三津五郎さまがやっぱりカッコイイ!ですね(笑)。昼の「喜撰」は初日に幕見したのですが、1階後方から改めて見て、三津五郎さまの踊りのすばらしさを堪能いたしました。全身いたるところに神経が行き届き、喜撰法師というちょっと洒脱で色気を持ったお坊さんの雰囲気を体中から漂わせ、ステキでございました。時蔵さんのお梶も色っぽくて、お二人が踊っていらっしゃるときは、ほんとに目が右に左に泳ぐ泳ぐ(笑)。
「千本桜」は、海老蔵さんが思いのほか(失礼!)よかったです。先輩方に囲まれての銀平ノチ知盛でしたが、心配した銀平も堂々とした押し出しで、安心して拝見いたしました(「寺子屋の源蔵がわたくし敵には×だったので、大丈夫か???と思っていたのです)。知盛は、ニンに合っているんでしょうね。大迫力で、よかったです。知盛がらみの場面で、蔭ではありましたが傳次郎さんの太鼓と鼓が! 筋書きに別立てで「囃子 田中傳次郎・田中長十郎」とあったのは、コレだ!!と。
「幡隋長兵衛」は、幕切れがどうも好きになれないんですよね、わたしは・・・。これってアリ???って見るたびに思ってしまいます。三津五郎さまが出尻の清三で、ちょっとびっくり。この役は、最近拝見したのだと、極端なたとえをすれば、「寺子屋」の涎繰り的な演じ方をされる方だったのですが、三津五郎さまがなさると、一味も二味も違ってました(そりゃそうですね・・・笑)。劇団らしいチームワークのお芝居ですが、なぜか藤十郎さんがねぇ・・・。この方はやっぱり上方の人って感じてしまったのですが・・・。時蔵さんだったらよかったのになぁ。
夜は「白浪五人男」の通しと「猿曳」。「五人男」では、三津五郎さまは忠信利平! カッコよかった〜!!(爆) だんまりの場とか、勢ぞろいの場でも、わき目もふらず(といいつつ、時々時蔵さんの赤星も横目で見てましたが 笑)、三津五郎さまをオペラグラスで見てました〜。お芝居全体も、菊五郎さんと左團次さんが、絶妙のコンビネーションを発揮、團十郎さんがビシっ!と締めていらして、よかったです。こういう芝居はやっぱり劇団がいいなぁ〜と、改めて。梅枝くんの千寿姫も、世間知らずのお姫様の感じがよく出ていたし、浜松屋では橘太郎さんが番頭さん!だったし。序幕の山村座の劇中劇では、市蔵さんがいい味出してました。ただ、昔に比べると、立ち回りがなんとなくイマイチっていう気も。橘太郎さんたちが抜けちゃって、ちょっと物足らないような気が。
松緑さんの「猿舞」は、なぜか地方さんが気になって、あまりちゃんと見ておりません・・・。正面山台じゃないと、案外、踊りが見えてないんだなぁというのを、自分で確認いたしました(笑)。長左久さんの鼓が絶好調!だったように思いました。

千本桜―花のない神話

千本桜―花のない神話

喜撰法師(喜撰)―清元 (1948年)

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幡随院長兵衛 (1968年) (サンデー講談)

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